禅語 「啐啄同時」を知っていますか? 坊さんのどうでもいい雑学
先日ナナママさんのツイートでプレミアムクラスの食事で「馳走 啐啄(ちそう そったっく)」と言うお店の監修の機内食が出て来ました。
珍しい言葉なので惹かれてしまいました。
初めて聞いた名前でしたのですが銀座の懐石料理の名店のようです。
残念ながら食べログのリンクは制限されているようです。
このお店の名前は昔の禅語から取られています。
啐啄同時 (そったくどうじ・そくたくどうじ)と読みます。
啐啄というのは何かをするときの絶妙なタイミングのことです。
同時というのは与える側と受け取る側のタイミングが「同時」ということです。
これは親鳥が卵から孵ろう(かえ)している雛鳥が内側から殻を破ろうとしている時に絶妙のタイミングで外側から殻を「同時に」つついて殻を破るのを手伝うところから来ています。
転じて修行僧がもう少しで悟りを得そうな時にすかさず師匠がそれを助ける様を表しています。
おそらくお店で注文された品を出す時に「絶妙のタイミングでお客様の望みの品を提供する」という意味でお店の名前にされたのではと想像します。
我々も何かを理解する時に「これだ!」と理解する時にはそれなりの知識がないと理解できません。全く知識の蓄積がなければちんぷんかんぷんです。
また「天才」の説を理解するには適切な「仲介者」がいなければ理解できないともいわれます。
まとめ
禅宗はお茶(茶道)の世界にも深い影響を与えている為にお茶の世界でもこの言葉は親しまれているようです。
お茶の世界では料理を用意したり、お花を生けたりまた庭の手入れなども含まれており、そこからおもてなしの一環として「禅」の心得を込めているようです。
また私の祖父や父に聞いたところでは「そったく」ではなく「そくたく」と教わりました。宗派での読み方の違いかもしれません。
我々も誰かを指導する時や子供を指導する時は「絶妙のタイミング」をみてアドバイスをしたいものです。
いつ何時でもアドバイスということでは「言葉の価値」が弱くなると思います。
ご覧いただきありがとうございます。