中東など7カ国カタールと国交断絶 中東ってみんなイスラム教じゃないの? 坊さんのどうでもいい雑学
中東諸国で5日、大きな動きがあった。
サウジアラビアなど7カ国が、カタールとの国交を断絶すると発表した。
理由は、テロ組織や過激派を支援しているのが明らかになったための措置だという。
しかし、中東情勢にくわしい、高橋和夫放送大学教授は「(カタールは)天然ガスがたくさん出るということで、お金ができたので、アルジャジーラを作ってみたりだとか、世界的に目立とうとしているところがあって、周りの国から見れば面白くない」と話した。
さらにカタールは、サウジアラビアなどと敵対するイランと、ペルシャ湾で天然ガスの利益を共有し、友好関係を築いていることも、理由の1つではないかという。FNNより
正直、僕よりもイスラム教に詳しい人も多いと思うが若い時に独学で少しイスラム教を勉強してるのでできるだけ冷静に今回のことをわかりやすく書いて見たいと思う。
皆さんイスラム教徒といえばどんなイメージがあるだろうか?
自分には関係ない?禁欲的?髭面?モスク?お祈り?最近ではラマダンなどもかなり知られているのではないだろうか?
実は僕はイスラム教徒に好感を持っている。残念ながら世界史を学ぶ機会には恵まれなかったが、かなり前に様々な宗教が集まる会があってそこでムスリムの方達と一緒にお祈りする機会があった。彼らは強面だが物静かだった。そして会の終わりにはイスラムのお菓子をご馳走してくれた。大変貴重な体験で参加して良かったと思った。
中東情勢について詳しい人も多いと思うが反面さっぱり、という方も多いだろう。
今回の出来事は「一ヶ月前ほどからもめていた」らしい。
今回の件、背景にはイランとサウジアラビアの対立があるようだ。
出典:Global Times
地図を見てみましょう。中東のイスラム教は大雑把にスンニ派・シーア派に分かれています。派というのは考え方が違うと思って下さい。しかし小さな違いがあるだけで大きくは違わないようです。もともとは共存していました。
イランを中心としたシーア派とサウジアラビアを中心としたスンニ派。
しかし、カタールとイランは地理的にとても近い。
サウジアラビアにはもともとイスラム教の聖地であるメッカ・メディナがある。
イスラム教の預言者マホメット(ムハンマド)が産まれたのがメッカ。亡くなったのがメディナ。
イランにシーア派が多くなったのは16世紀ごろ。このころイランのエスファハーンはサファヴィー朝の首都で非常に栄え「エスファハーンは世界の半分」と言われるほど繁栄した。
あまり知られてないがアラブの人々は昔から商売上手で知られ、それこそ世界を股にかけて交易を行い非常に栄えていた。もちろん文化も豊かで学問も盛んで、中世ヨーロッパではキリスト教の僧侶たちは続々とイスラムに留学した。人気はスペインのコルドバでギリシャ哲学や聖書の読み方を学んだという。
中世、聖書はラテン語やギリシャ語で書いてあり難しくてあまり読まれなかったという。
最近のスンニ・シーアの争い
サウジアラビアでは2011年にシーア派による反体制運動が起こった。運動の指導者が死刑になるとイランのテヘランではサウジアラビア大使館が焼き討ちに遭う。
これは国交断絶にまで発展した。
これから後、サウジアラビアは国内の引き締めにかかる。
カタールについて
カタールは埼玉県ほどの経済規模ながらイランと共同でペルシャ湾の天然ガスの利益を共有していて友好関係にあります。
カタールが支援していると言われる過激派というのは「ムスリム同胞団」を指すとみられている。
ムスリム同胞団はイスラム法により統治された国家の確立を目標としている。
イスラム教は行動の規範が細かく決められていてその規範をそのまま国の法律に厳格に適用するべきという「過激派」がいる。その一つがムスリム同胞団。
カタールのアルジャジーラはその過激派たちを「煽動している」とみられている様だ。
そして先月、
カタールと各国の関係悪化の直接の契機は先月末、「イランはイスラムにおいて無視できない力を持つ」などとするカタール・タミム首長の「親イラン発言」が報じられた。
産経ニュース
と、いう報道があった。これがサウジアラビアの逆鱗に触れたらしい。
世界一の原油産出量を元にした大きな国力を持つサウジアラビアが子分のカタールを締め上げたといったところだろうか?
残念ながら詳しいことは分からないが今回の件は(元々宗派争いで仲の悪かったイランとサウジがイランに対する経済制裁解除に伴う石油産出量をめぐる争いがあるようだ。:追記)イスラム世界の主導権争いもあると思う。
まとめ
現在イスラム教に対する悪いイメージはキリスト教によるものという説があるくらいだ。
僕のイスラム教国に対するイメージは「文化が豊かで敬虔」である。
今回サウジアラビアが強硬な態度に出たのはアメリカとの関係改善もあるとみられている。アメリカは元々はソ連の南下を防ぐためイランを補助していたのだが。
トランプ大統領はイランを嫌っている様だ。
なんにせよカタール航空がかなりの打撃を受けているというなら残念だ。
6月7日追記
サウジアラビアは強大な国力を持つ上にイスラム教徒の聖地であるメッカを持っています。メッカ巡礼はイスラム教徒の夢であり巡礼に行ったものは「ハッジ」と呼ばれて尊敬されるそうです。聖地巡礼はイスラム教徒の重要な義務であり巡礼したい人は大勢います。
サウジアラビアを怒らせて国境を閉鎖されると巡礼ができなくなる。経済的にも宗教的にもサウジアラビアはアラブで優位と言えると思います。