寺院紹介 京都 東福寺
こんにちは。
今回は紅葉の季節も近いという事で京都の紅葉の名所東福寺をご紹介いたします。
慧日山 東福寺(えにちさん とうふくじ)
京都五山の四位に列している由緒ある寺院です。
ご存知と思いますが開基の九条道家が奈良の東大寺、興福寺に負けないような大寺院にするとの意気込みで両方から一字を取り東福寺としました。
九条家は藤原氏の藤原北家嫡流で五摂家の一つです。当時も非常に勢力があったかと思います。
山号の慧日山については調べましたが分かりませんんでした。仏教では慧は智慧の慧ですからとても重要です。般若心経は仏の智慧のお経とも言われています。日は日本の日か大日如来の日、または太陽の事かと思います。
JR京都駅から少し東南に下った所にあります。
開祖は博多祇園山笠の創始者
東福寺の開祖は円爾(えんに)というお坊さんです。教科書などで円爾弁円(えんにべんえん)と表記されていますが弁円と円爾はそれぞれ別の時代に使った名前なので後から名乗った円爾で呼ばれています。
と、ウィキペディアにありますが東福寺の公式HPでは円爾弁円となっていますね。
公式で書いてあるから円爾弁円で良いと思います。
円爾は静岡の生まれで18歳で得度。上野国長楽寺の栄朝、鎌倉寿福寺の行勇(ぎょうゆう)の弟子になり臨済禅を学びます。どちらも以前に書いた栄西の弟子です。
1235年に宋(中国)に渡り無準師範(ぶじゅんしはん)という人の弟子になります。
無準師範は有名な中国の僧で優秀な弟子が沢山いました。径山万寿寺(きんざんまんじゅじ)の住職です。万寿寺は今の浙江省杭州市にあります。
当時、中国は南宋の時代で杭州は首都で13世紀には世界最大の都市でした。
南宋時代といえば文化の爛熟(らんじゅく)した時代で非常に文化のレベルが高く、日本も多大な影響を受けています。
万寿寺はその時代でも一番格式の高いお寺だったので世界中から優秀な人材が集まって来たと思われます。
日本の金山寺味噌はここから来ていると言われています。(径山寺味噌)。
また日本の茶道も万寿寺の茶宴の影響を受けています。
無準師範は書と画も優れていて水墨画の大家牧谿(もっけい)も無準の弟子で影響を受けたと言われています。
1241年に日本に帰ってきた円爾は博多に上陸してそこで承天寺(じょうてんじ)を開きます。
この時に博多で疫病が流行り円爾が博多商人に担がれた施餓鬼棚の上に乗り、水を撒きながら疫病退散を祈祷したのが始まりと言われています。
この為祇園山笠自体は櫛田神社のお祭りですが承天寺前をコースとして各曳山は承天寺にも奉納されるそうです。
またこの承天寺は円爾が宋から技術を持ち帰った事からうどん蕎麦の発祥の地とされています。
お茶の種も持ち帰り故郷静岡のお茶の元になったとされこれが静岡茶の元だそうです。
拝観時のポイント
その後円爾は天台宗徒に承天寺を焼き討ちされてしまい九条道家に招かれ上京します。
東福寺は度重なる火災にあっていますが「日本最古にして最大の伽藍」とホームページに謳っています。
中でも三門は1425年、足利義持の再建で禅寺としては日本最古の三門で国宝です。
また皆さんご存知の橋は「通天橋(つうてんきょう)」と言って仏殿から常楽庵(じょうらくあん)に通じる橋です。
1380年に有名な春屋妙葩(しゅんおくみょうは)というお坊さんが作りました。
1959年(昭和34年)に台風で壊れたので2年後に再建したもので橋脚部分は鉄筋コンクリートにされています。
常楽庵というのは主要な伽藍の北にあり開山円爾像を安置する開山堂とその手前の昭堂のある一角で1819年に焼失、1826年までに再建されました。
昭堂の中央部分は2階建ての楼閣になっていて、伝衣閣(でんねかく)といって金閣・銀閣・飛雲閣(西本願寺)・呑湖閣(大徳寺芳春院)と並んで「京の五閣」とされています。
東司(とうす)
禅宗のお寺でトイレの事を東司といいます。
禅宗の七堂伽藍に欠かせない建物で東福寺の東司は室町時代のもので日本の禅宗建築では最古の東司とされてます。また雪隠ともいうので百雪隠(ひゃくせっちん)とも言われています。
修行僧は休憩の時間も決まっていてみんな一斉にトイレをするので百雪隠と言う訳です。これは珍しいと思います。
まとめ
東福寺ホームページからMAPをお借りしました。
これから11月の紅葉の季節の拝観時間は8:30〜16:00までだそうです。(受付終了が16:00)。
季節で拝観時間が変わりますので詳しくは公式ホームページをご覧下さい。
拝観料は通天橋・開山堂が400円
東福寺本坊庭園が400円
本坊庭園は方丈の周りに四つのちょとモダンな庭園が見られます。
私も京都に居た学生時代に一度だけ訪れました。また訪れてみたいです。
禅寺は門も色々特徴がありますので勉強してから見学すると楽しいと思います。
皆様京都に行かれましたら是非!
最後まで読んでいただきありがとうございました。