お香について思う事 坊さんのどうでもいい雑学

ご存知の様に仏教にお香は欠かせません。

皆さんも一度ぐらいはお香に触れた事があると思います。

お葬式や法事の線香や抹香で。

 

修行時代はお客さんの来る前に客間に一本お線香をあげるのが嗜みでした。

だからお線香が立っていると「あ、お客さんが来るのだな」と理解していました。だから今でもお参りの方が来る前は本堂にお線香を一本あげておきます。

 

また修行時代、坐禅をするときにはお線香を一本あげておき時間の目安にしていました。だいたいお線香が一本燃え尽きるには2~30分かかると言われていてこの時間を一炷(いっしゅ)と言います。一炷が終わると休憩です。

 

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お線香や抹香も元々は香木といって天然の木から出来ていて、有名な白檀(びゃくだん)はインド原産で紀元前にはすでに香木として知られていました。

白檀はサンダルウッドといい香水にも使われています。一番良く知られているお線香の香りはコレが元になっている事が多くポピュラーな香りになっています。強い甘い香りがします。

 

ビャクダン - Wikipedia

 

白檀は熱しなくても香りがする事から仏像や数珠の原料にも使われています。

ことわざの「栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし)」の栴檀とは白檀の事で優れている人は幼少の頃から優れているという意味です。

 

また沈香(じんこう)というお香も知られていますが白檀に比べると香りは弱く感じますが少し爽やかでスパイシーな香りでした。先日本堂に置いてあったお香を開けてみたら沈香でした。

 

沈香 - Wikipedia

 

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桐の箱に入っています。

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中の包み紙を開けるとこんな感じです。

 

部屋で焚いてみました。

 

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火を点けた炭の上に乗せて使います。(ピンボケすいませんw)

 

私も普段使わないのですが使ってみるとなかなか燃えるのに時間がかかりますね。

 

知っているお坊さんで自分でお香を持ち歩いてお寺の行事の焼香の時に袂から取り出して使います。

また本山の大きな行事に行くととても高級そうな香りがふんだんに漂っています(笑)。

今回価格を調べてみたら白檀より沈香の方がずっと高級でした。てっきり白檀が一番高いかと思っていました。

 

 知っておきたい知識

ブログでは良く書いていますがうちの宗派ではお線香・焼香は奇数にします。これは中国から奇数が「聖数」とされている事から来ています。焼香も一回か三回。線香も一本か三本。これは台湾や香港などのお寺でも奇数のお線香を真っ直ぐに立てることか世界共通かと思います。

例外として日本の浄土真宗系ではお線香を二本で横に並べて置きますが世界では珍しいと思います。ただ日本では浄土真宗系が多いので当たり前に思うかもしれません。

 

 

まとめ

仏教に欠かせないお香ですがキリスト教では振り香炉が知られていると思います。

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またイスラム教では頻繁に日常でお香を焚くそうです。これは魔除け的な意味らしいです。

 

仏教でも場を清めるとかやはり遺体の異臭を誤魔化すという意味があると思います。

元々お釈迦様の棺が白檀製だったという言い伝えもあるようです。

 

また昔の日本では貴族が着物にお香の香りを付けていたのも知られていますね。

 

京都に行くと老舗のお香屋さんもありますので皆さんも行かれたらお土産にお香はどうでしょうか?おそ松さんコラボのお香や匂い袋もありました。

 

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京都の老舗のお香屋さんの松栄堂さんにお取り扱いがありました。

 

松野家特集(メイン): お香の専門店 松栄堂ウェブショップ

 

こちらもお薦めです。

 

京都上京の老舗 お香・ろうそくの財木屋|トップページ

 

私も月末に京都に行きますので機会があったら訪れてみたいです。

 

ちなみに最近流行りの煙の少ないお線香は火が点きにくいです。お気をつけ下さい。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。